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コラム:シマウマは考える
コラム:シマウマは考える
シマウマは考える Vol.13
『発想する色』
☆ 北極にいるホッキョクグマは、全身が白い体毛に覆われているように見えるため、シロクマとも呼ばれる。しかしこの熊の毛は白ではなく、実際は透明で、光を通すのである。この熊の体毛は、内部が空洞になった特殊な構造のために、光は体毛を透過し、散乱光によって白く輝いて見えるのである。この構造は光を奥にある皮膚にまで届け熱をもたらし、さらに蓄熱の役割を果たすという、さすが北極で生きていける巧みな保温機構になっている。

白い氷の上で白く見えるホッキョクグマ
☆ しかし本当に白い毛の熊もいる。アメリカグマ、通称アメリカクロクマは黒い毛が特徴であるが、アメリカのアラスカ州の南につながるカナダのプリンセスロイヤル島とグリベル島には体毛の白いアメリカクロクマが数多くいるのである。この熊は、体毛の色素が欠けた熊でもなくホッキョクグマでもないクロクマの変種である。白い動物は緑の森の中で目立ち天敵に襲われやすく生き残るのが難しい、というのが動物界の常識だが、“大いなるクマの森”と呼ばれる島の森には天敵の白いクマは地元民に“精霊のクマ”と呼ばれ守られてきた。
☆ 青い血液がある。ヒトをふくむ脊椎動物やその他の動物の血液は、赤い。これは赤血球のなかにある酸素を運ぶヘモグロビンが酸素と結びつき、鉄イオンの色となる。エビ・カニの節足動物、貝やイカ・タコの軟体動物の血液は青い。血液の中で酸素を運ぶのはヘモグロビンではなく、ヘモシアニンと呼ばれる。ヘモシアニンの本体は無色透明だが、酸素と結びつくことで銅イオン由来の青色になり、青い血になる。

ブルーマンショー、でも血はきっと赤い。
☆ ヒラメやカメレオンは短い時間で体色が変化することで知られる。これは色素細胞の中での色素が動くことにより、体色を背景そっくりに、比較的速いスピードで変化するのである。アニマル・シンキングでは、そのカメレオンが「その場の状況に応じて最善の策を選択する」アニマルとして登場する。四季のはっきりした地域では、季節による気候の差に対応するように、毛の生え方が変わる。雷鳥やエチゴウサギでは、冬は真っ白の体毛になってまわりの雪にとけこみ、これは雪の多い地方での保護色として働いている。

秋になり夏の毛が冬の毛になる雷鳥

真冬には雪と区別がつかない白い色
☆ 今日では色を正確に表現する方法として色空間とよぶ世界標準が確立しており、色相、彩度、明度などのパラメーターで厳密に定義することができる。しかし伝統的な色を表現する言葉は、その国や民族の文化の代表とも言える。日本の伝統色の辞典には460を超える色の名前が在る。多くは花々や木々の植物の名前で、自然の豊かさを表している。
☆ その日本の伝統色に一番多く現れるアニマルは“鼠”である。「ネズミ色の鼠」って描けますか、34色もあるのですよ、日本のネズミ色。

34色のネズミ達です。
2011年8月15日
パックラット





