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コラム:シマウマは考える
コラム:シマウマは考える
シマウマは考える Vol.15
『あなたは猫になれるか?』
☆ 何が教師の授業の能率を高くするのかを知ろうと二人の心理学者が実験をした(1)。彼らはボディーランゲージのような声によらないしぐさが重要ではないか仮説を立て、ハーバード大学の教師たちと生徒とのやりとりを1分間の無声ビデオにまとめた。そのビデオを見て授業を評価してもらおうと仲間達に見せたところ、教師の授業について期待するような答えが得られなかった。
☆ 「生徒が写っているので紛らわしいのだろう」と、教師だけが現れる10秒のテープに作り直したところ、たった10秒で仲間達は、15もの評価項目について良し悪しを評価した。驚いた心理学者は、さらに短い5秒のテープを作り、いくつかのグループに評価してもらったところ、10秒のテープと同じ結果が得られた。
☆ そこで心理学者はついに2秒のテープを作り見てもらったところ、なんと同じ結果が得られたというのである。人は見ず知らずの人に会ってたった2秒で即断しているのだ。別の学者が行った採用面接の実験でも、相手が椅子に座るまでに、もう面接者は心を決めているという結果が出た。「人は見掛けに依らぬもの」と人間の性質や能力は、外見からだけでは判断できないという諺もあるが、やはり見かけは重要であるようだ。

「どのようにしてレモン、ナッツ、フレイクの採用を避けるか?」
というアメリカの人事採用セミナーのパンフレット。
レモンは不良品、ナッツは俗語で変わり者、フレイクも俗語で
奇人などを意味している。
☆ イスラエルでアニマル・シンキングの公開ワークショップに招かれた。コンクリートむき出しの建物が並ぶ通りを歩き、看板も何もない無愛想な建物のゴミの散らばった階段を上がる。どんなところかとドアを開けると一転、しゃれたライティング、分厚い木のテーブル、革張りの椅子、Wi-Fiの無線で接続された最新の電子機器、しゃれたコーヒーメーカー、おやつのビスケット。外見とは全く違うしゃれたオフィスなのである。

イスラエルのテルアビブの町並み

アニマル・シンキングの公開ワークショップの室内風景
☆ ミュージカル「キャッツ」では、個性的な野良猫たちが都会のごみ捨て場を舞台に、踊りと歌を繰り広げる。野良猫達は年に一度、「ジェリクルの月」が出る晩に舞踏会を開き、ここで「一番ジェリクルな猫」と認められれば、夜明けにとともにその猫は生きたまま天国に迎えられる。
☆ おばさん猫、不良猫、娼婦猫、長老猫、政治家猫、泥棒猫など猫たちは進み出て、その人生を歌い、踊る。夜明けに選ばれたのは、猫たちの中で最もさげすまされていた娼婦で老いた猫グリザベラだった。娼婦をさげすみ最後は地獄へ行くといわれ、さらに動物には霊がないというキリスト教圏で、人間が一切出てこない「娼婦、しかも猫が天国へ昇る」という衝撃的型破りの内容と振付に、観客も最初は戸惑っていたがやがて、長期公演の大ヒットとなった。

暗闇に「キャッツ」の文字だけが浮かぶ劇場の案内
☆ その“ネコ”はアニマル・シンキングではより戦略的な存在だ。きれいで上品な印象があるネコだが、爪はとても鋭く、その爪でゴミをひっかき回す。見かけと中身を変えて、物の見方や気持ちをコントロールしようというのである。
☆ 「最高の人材を選ぶことがむずかしい第一の理由は“見かけ”だ。私たちは、候補者が容姿端麗だということで採用を決めてしまう。これをケンとバービー(アメリカの美男美女の人形)症候群と呼んでいる」と2万5千人ものマネジャーにインタビューした米国の調査会社は報告している(2)。
☆ 「見かけも中身も磨いて」期待に背かないようにするのか、「見かけに依らないね」といわせるように中身を磨くのか、「見かけからは想像もできない」あっと言わせるアイデアを作り出すか、はたまた「見かけ倒し」で終わるのか、知恵が勝負だ。

あなたはこれが何に見えますか?
ぜひワークショップに来て、中身を発見してください。
(1):How would you move Mount Fuji? ; William Poundstoen
(2):あなたのなかにあるセールスの才能;ベンソン・スミス&トニー・ルティアーノ
2011年10月18日
パックラット





