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コラム:シマウマは考える
コラム:シマウマは考える
シマウマは考える Vol.17
『冬ごもり』
☆ 日本とロシアの科学者達が映画“ジュラシックパーク”スタイルの実験をするという。今年8月にシベリアの永久凍土で発見されたマンモスの保存状態のよい大腿骨から骨髄細胞の核を取り出し、アフリカゾウの卵子にいれてマンモスのクローンを5年以内に作るのだと言う。実現性は疑わしいという声も挙がっているが、実現したら1万年前に絶滅したと言われ、長いこと“活動を停止していた”マンモスもびっくりだ。
☆ 人間が宇宙船で惑星を移動する長時間の間の老化を防ぐために、人体を低体温にして冬眠させたり冷凍したりするコールドスリープはSF小説によく出てくる。実際最新のバイオ技術と冷凍技術では、死後16年間保存されていたマウスからクローンマウスを生み出すことも可能になり、人間でも自分の抜いた歯を冷凍保存し歯を失った後に再利用することまでできるようになった。
☆ アニマル・シンキングのクマの戦略は、“活動をいったん停止する”ことだ。冬に活動を休止するクマの冬眠は、3ヶ月以上だが、真の冬眠ではなくむしろ睡眠に近く、わずかな刺激で目が覚め、さらにメスは穴の中で出産をするので“冬ごもり”とも言われる。

「楽しき我が穴蔵」で冬ごもりのラッビト。
インハビット(居住する)という英単語の発音はラビットと似ているという。
☆ “サバティカル”は、伝統的には長期間勤務した大学教員に与えられる長期休暇のこと。少なくとも1ヶ月以上、半年から1年におよび、使途も限られない。執筆や新たな研究テーマへの充電期間などに使われる。欧米では、勤続年数が長い社員にこの制度を適用している企業もある。一般的休暇とは別に1ヶ月以上のサバティカルになると、本人の休養・充電に加え、代行者を指名し権限を完全に委譲して部下の育成をも兼ねると聞いた。

ロング・バケーションという名前のマイクロソフトのWindows-XPの背景画面はよく知られている
☆ 冬眠動物たちは条件の良いときに食物を脂肪として蓄え、食料の無くなる冬はこの脂肪を使って飲まず食わずの冬眠生活をする。エゾシマリスでは春から秋の活動期間におおよそ半分が他の動物に捕まえられエサとなってしまうが、冬眠期間中の死亡率は6%以下という報告もあるので、冬眠は捕食から逃れる有効な手段だ(1)。このように冬眠は、食料の少なくなる冬に他の生物の餌食にならないことで翌年まで生き残る可能性を高くし、春の繁殖期に子孫を残すチャンスも大きくする上手に仕組まれた“生き残り戦略”の一つだ。
☆ 冬は雪深い新潟の町から、冬には雪もなく乾燥した青空が広がる静岡県の農家に嫁ぐことになって「冬は雪がなくって青い空だって」とうれしそうに言う孫娘におばあさんがこう話したという。「そりゃ、大変だ!年から年中働かなければならないね。湯治にも行けないね?」 そう、師走は“クマの戦略”で温泉に行こう。

秋田乳頭温泉
(1):北国の森に生きるシマリスの冬ごし作戦、川道美枝子、文研出版
2011年12月20日
パックラット





